Finance & Developement

التمويل و التنمية

金融与发展

Finances & Développement

Finanzas & Desarrollo


Финансы и
развитие


Free Email Notification

Receive emails when we post new items of interest to you.

Subscribe or Modify your profile



Finance & Development

2021年9月号:   

一刻の猶予もない 

今回の気候問題をテーマとするF&D特別号では、国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)と協力し、学術界、政策当局、民間部門、若手活動家の多様な声を集めました。気候対策が急務であること、そして相互に支え合う様々な気象政策の必要性に焦点を当てています。

アマール・バタチャリヤ、ニコラス・スターン両氏をはじめとする寄稿者は、活力ある民間部門に支えられたインフラ投資の拡充と技術的イノベーションを原動力に、雇用と成長において大きな機会を生み出す具体的解決策を提示しています。IMFのクリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事は、信頼性の高いカーボンプライシング政策によるグリーンエネルギーの利用促進を推奨し、ジェームズ・ストック氏は低炭素タイプの航空燃料の採用など業界別政策へのシフトを主張します。

今号には以下の記事を掲載している。

さらに本号(英語版)ではマーク・カーニー氏がクリーンでグリーンな金融を、ウガンダ、モルドバ、フィジーの若き気候活動家がCOP26のリーダーたちへのアドバイスを、IMF職員がアジアの気候非常事態の解決に財政政策が役立つことを、シティのヴァル・スミス氏が気候変動との闘いにおける民間部門の役割を論じるなど、充実した内容になっています。

2021年6月号:   

新興市場国にとっての次は何か?

今号では新興市場国の今後の道のりに焦点を当てた。先進国でもなく、低所得国でもなく、両者の中間にある国々は「新興市場国」として分類されることが多い。世界システム全体にとって持つ重要性が増しているこれらの国々は、国際的な安定性を支える力となる。しかし、子細な分析を行い、その特徴を定義しようとすると、新興市場国と呼ばれる国々の間に見られる多様性の大きさ、経済規模や成長率のばらつき、見通しや優先事項や課題の差異が浮かび上がってくる。例えば、中国やフィリピンのようにコロナ禍の収束に早い段階で成功した国もある。その一方で、コロナ禍の後遺症の対処に何年も苦慮し続けることになる国も出るだろう。同じ国の中でも産業、年齢層、性別、技能熟練度によって復興ペースが異なるマルチスピードの経済回復が進んでいる。そうした環境の中、今号は新興市場国を横断するテーマを複数取り上げた。

今号には以下の記事を掲載している。

  • まだ先は長い
    ルパ・ダタグプタ  ジェイラ・パザルバシオル 著
    新興市場国はコロナ禍の克服、より正常な政策への回帰、経済再建の間でバランスをとる必要がある。
  • 新興市場国は今も台頭し続けているのか
    ジム・オニール 著
    20年が経ってもBRICsの希望は消えていない。
  • 世界で影響力 足元に脆さ
    デビッド・ダラー  黄益平  姚洋 著
    中国の長期的成功を左右するのは、主に国内の諸問題への対応だ。
  • 変動期の新興市場国
    マムード・プラダン 著
    新興市場国の未来についてアリアンツのリチャード・ハウス氏とシティバンクのデビッド・ルービン氏にインタビューを行う。

また、今号の「経済学者の声」では、制度改革を通じた公平性の実現を研究テーマとするロヒニ・パンデ(イエール大学)をIMFのピーター・J・ウォーカーが紹介する。

2021年3月号:   

デジタルな未来

2021年3月号では、デジタルな未来がもたらしうる影響、つまりその長所と短所、そしてグレーゾーンを模索している。これまでのところ、テクノロジーが何百万人もの人々にとって生命線となってきており、働き方、学び方、買い物のし方が変わってきている。未曾有の1年の間に、テクノロジーによってデジタル移行が本格的に進んだ。各国政府は迅速に動き、現金給付による支援を行うために携帯電話を活用した。また、金融テクノロジーは零細企業の存続と場合によっては成長に貢献した。そして、国の通貨として初となるデジタル通貨がバハマによって発行されたが、ここにお金の未来を垣間見ることができる。テクノロジーはまた、教育、機会、医療・金融サービス利用における結果の不平等にもつながりかねない。機械による自動化は雇用を破壊してきており、永久に失われた仕事もある。各国間と各国内で、そして、都会と地方でも、デジタルに接続できる人々とできない人々の間に深い溝が生じ、社会的・経済的な格差が拡大してきている

今号には以下の記事を掲載している。

  • コロナ後の世界をつくり直すために
    ダロン・アセモグル 著
    格差拡大の流れを逆転させるには、自動化を注意深く管理する必要がある。
  • データ経済の優れた未来を実現するために
    ヤン・キャリエール=スワロー  ヴィクラム・ハクサル 著
    私たちのデジタルフットプリントは莫大な価値を生むが、そのほとんどが大手テック企業によってサイロ化されてしまっている。
  • 金融のイノベーションから包摂へ
    ジョン・フロスト  レオナルド・ガンバコルタ  ヒュン・ソン・シン 著
    テクノロジーが包摂的であり、誰もが恩恵を享受できるようにするには、公共財が民間のイノベーションを支援しなくてはならない。
  • 世界に広がるサイバー攻撃の脅威
    ティム・マウラー アーサー・ネルソン 著
    増大するサイバー攻撃の脅威から金融システムを守るためには、国際社会の協調が不可欠だ
  • グローバリゼーション研究の先駆者
    プラカシュ・ラウンガニ 著
    グローバリゼーションの可能性と危険性をいち早く指摘したテルアビブ大学のエコノミスト、アサフ・ラジン氏の横顔をIMFのプラカシュ・ラウンガニが紹介している。

ファイナンス&ディベロップメント - セレクト記事

2020年12月号:   

素晴らしい新世界 雇用と機会の未来

世界経済フォーラムとの提携の下で制作された本号の「ファイナンス&ディベロップメント」は雇用と経済機会の未来について検討し、より良い明日、政策の中心に人々を据えた明日を形作るために何ができるかを模索している。医療、教育から労働市場政策まで、新型コロナ後の社会を再設計し、より優れた未来に向けて前進する必要性が大いに存在している。パンデミックによって悪化したトレンドの中でも格差は特に際立っている問題のひとつだ。これが未来にもたらす影響は不確実だが大きなものとなる。仕事の世界を想像しなおしたり格差の縮小を図ったりしつつ、危機の間に学んだ教訓を土台として積み上げていくために必要かつ変革をもたらす政策に本号は焦点をあてている

今号には以下の記事を掲載している。

  • ポスト・パンデミックの素晴らしい新世界
    マーティン・サンブー 著
    ファイナンシャルタイムズのコメンテーターであるサンブー氏が「この混乱期の政策当局の選択が、これから数十年の経済の姿を決定づける可能性がある」と記す。
  • 後戻りはできない
    クリスタリナ・ゲオルギエバ 著
    IMF専務理事が「人々のために政策に投資することが、危機収束後の世界経済をより優れたものにする力となるだろう」と語る。
  • リアルタイムで格差を捉える
    陳文婕 著
    IMFアジア太平洋局の陳文婕によると、迅速な危機対応にとって高頻度データが持つ重要性がパンデミックによって浮き彫りになっている。
  • 不運なスタートは長く暗い影を落とす
    ハネス・シュバント  ティル・フォン・ワハター 著
    危機の最中に社会に出る若者が受ける打撃は大きく、不利益は生涯続く可能性もある。
  • 楽園からのご挨拶
    アダム・ベスーディ 著
    経済が観光に依存し、パンデミックからの打撃が最も大きかった国々について掘り下げて考える。

2020年9月号:   

レジリエンス 亀裂を癒すために

以前から存在していた経済・社会の断層が新型コロナ時代に痛々しいほど明らかになり、さらに拡大している。そして、新たな断層も生まれている。労働者の間では格差が際立つようになっている。特に若年層、女性、低学歴層にこの点が顕著だ。公衆衛生制度、労働の不安定さ、デジタル格差の面では、より緊急性の高い弱点が生まれている。歳出ニーズ増と債務膨張に今、直面する政府は試練の時を迎えている。また、人種間の不正義という爆発しそうな問題にも光が当たっている。

新型コロナ危機、また、この危機によって顕在化した断層は、何を優先すべきかを再考するように、そして、より公正で、順応性と持続可能性が高く、レジリエンスのある未来に向けて、世界経済の構造そのものを再検討するように私たちの心に呼びかけている。今号のファイナンス&ディベロップメントでは、何をすべきかについて多様な著者の意見をご確認いただけるようになっており、以下の記事を掲載している。

  • グローバルレジリエンスを再考する
    イアン・ゴールディン 著 オックスフォード大学教授の著者が「パンデミックによって経済と社会の断層にひずみが生じており、唯一の解決策は国際協調だ」と主張している。
  • 大いなる分断を克服する
    ジョセフ・スティグリッツ 著
    ノーベル経済学賞受賞者の著者が「パンデミックは深い分断を顕在化させたが、流れを変えるのに遅すぎることはない」と述べている。
  • 国際金融協力が根を張るように
    バリー・アイケングリーン 著
    「現在の危機によって国際金融アーキテクチャ強化の緊急性が浮き彫りになっている」とカリフォルニア大学バークレー校教授が記している。
  • 「ナイト」メアな不確実性
    ジェフリー・オカモト 著
    IMF筆頭副専務理事が「新型コロナ流行下の世界では、リスクが一層深刻化している」と述べている。
  • テクノロジーは敵か味方か
    アンドレアス・アドリアーノ 著
    テクノロジーが強靭性を高めるか格差を広げるかは、どの程度活用できるかに左右される。

2020年6月号:   

政策と政治と感染症流行

世界的に広まった感染症によって、多くの人命が失われ、世界は「大封鎖」の様相を呈し、事業活動は凍結してしまった。人々の暮らしは大きく混乱し、一時解雇、マスク、恐怖が日々の一部となった。公衆衛生危機によって私たちの注意が向かう先は変わったが、今号のファイナンス&ディベロップメントでは、これまで以上に時代に必要とされるようになった「政治経済学」に焦点をあてる。政治経済学は政策が経済分析だけでなく、社会面や政治面など様々な力学によって影響されているという点を強調している。そして、政治経済学を踏まえると、感染症収束後の世界に人々と経済がどのように適応するのか私たちは考えざるをえない。

今号には以下の記事を掲載している。

  • 経済政策の政治経済学
    ハーバード大学のフリーデン教授によると、政府と社会を変えたいと願う人々にとって政治経済学の理解が強力なツールになる。
  • 危機を超えて
    クリスタリナ・ゲオルギエバ 著
    より良い世界を築くために、この機会をどう活かせるか、IMF専務理事が説明する。
  • 危機に瀕する移民送金
    アントワネット・サイエ ラルフ・チャミ 著
    世界的に流行する新型コロナウイルスによって、貧困国・脆弱国にとって生命線である送金の流れが途絶える危険性がある。
  • 新型コロナ後、世界はどう変わるか?
    ダニエル・サスキンド イアン・ブレマー シャラン・バロウ 他 著
    コロナ流行が世界をどう変えたか6人の有識者が考察する。
  • 貧困を撲滅せよ
    アンドレアス・アドリアーノ 著
    マサチューセッツ工科大学(MIT)のアブドゥル・ラティフ・ジャミール貧困アクション・ラボ(J-PAL)を紹介する。このラボはアビジット・バナジーとエステル・デュフロが開発経済学に新風を吹き込む舞台となった

2020年3月号:   

人口動態と経済的厚生

人口の規模と構成の変化は、その国の人々がどう働き、年齢を重ね、暮らすかに影響を及ぼす。多くの先進国と新興市場国において、老後を迎えた退職者が増えていく一方で、こうした高齢者を支えなければならない生産年齢人口が減少していくことになる。他の国々では、労働市場に参入する若者の受け皿を整えるだけでも、膨大な数の仕事を新たに創出する必要がある。今号の「ファイナンス&ディベロップメント」では世界各地における人口動態の経済的影響を取り上げ、以下の記事を掲載している。

  • 世界人口の今
    デビッド・E・ブルーム著
    ハーバード大学のデビッド・E・ブルームが、人口動態が経済発展のスピードとプロセスをどう大きく左右しうるかを議論する。
  • 長く充実した人生
    アンドリュー・スコット 著
    ロンドンビジネススクールのアンドリュー・スコットは「長く充実した人生」において、長くなった人生をより生産的に過ごすためには、老いについての古いルールを刷新する必要があると説明している。
  • 出生率低迷から学ぶ少子化の処方箋
    ポー・リン・タン 著
    シンガポール国立大のポー・リン・タンは「出生率低迷から学ぶ少子化の処方箋」において、シンガポールが出生率向上に取り組んできた経験を詳細に取り上げ、他の国々にとっての教訓を導き出している。
  • 縮小の経済学 日本に学ぶ教訓
    ジー・ヒー・ホン トッド・シュナイダー 著
    国際通貨基金(IMF)のジー・ヒー・ホンとトッド・シュナイダーは、日本が世界にとって少子高齢化対策の政策実験室である理由を「縮小の経済学 日本に学ぶ教訓」で議論している。

また、今号の「経済学者の声」シリーズでは、現代の年金研究の創始者であるオリビア・S・ミッチェル(ペンシルバニア大学ウォートン校)の横顔にピーター・J・ウォーカーが迫る。

2019年12月号:   

気候変動の経済学

今号のファイナンス&ディベロップメントでは、気候変動政策の経済学と経済的な影響を取り上げる。テクノロジー、イノベーション、投資と活力あふれる民間部門の力によって、成長の機会を生み出す具体的な解決策を提示する。

  • この地球と世界経済の大切なバランス
    デイビッド・アッテンボロー卿とクリスティーヌ・ラガルドIMF前専務理事の対話に基づく
  • 脱炭素化の最適解とは
    ケネス・ギリンガム 著
    温室効果ガス排出量を削減する各施策にどれだけ支出するかを政策担当者が決定しなければならない理由をイェール大学のギリンガム准教授が議論する。
  • 汚染に値札をつける
    イアン・パリー 著
    汚染に課税するカーボンプライシングの戦略は、世界の気候危機に対策を講じる上で鍵となりうるとIMF財政局で環境財政政策を担当するパリー主席専門官が示す。
  • 自然災害を乗り越える投資
    ボブ・シミソン 著
    天災多発国が強靭化に投資することで、どのように気候変動事象に耐える力を強化しているかをジャーナリストのボブ・シミソンが議論する。
  • 自然界が示す気候変動の解決法
    ラルフ・チャミ、トーマス・コジマノ、コネル・フレンカンプ、セナ・オズトサン 著
    クジラ保護政策は温室効果ガスと地球温暖化の抑制につながる可能性がある。

2019年9月号:   

世界経済の闇

闇の中でクモの巣状に広がる秘密の取引が脱税や租税回避、資金洗浄、不正な資金の流れ、汚職を可能にしている。今号のファイナンス&ディベロップメントでは、この暗闇に光を当てる。

  • 光を照らす
    デビッド・リプトン 著
    IMF専務理事代行が世界経済の闇について、そして、闇に隠された資金を明らかにすることがガバナンス強化を意味する理由について議論する。
  • タックスヘイブンという病巣
    ニコラス・シャクソン 著
    タックスヘイブンが引き寄せる数十億ドルの資金は、送る国と受ける国の双方を蝕む。
  • 不法マネーが名画を狙う
    トム・マシュバーグ 著
    芸術市場は規制が緩く、資金洗浄にうってつけの舞台となっている。その深層をトム・マシュバーグが探り、この課題にどう対処するのが最善なのか掘り下げて伝える。
  • 日本のお札の新しい顔
    メリンダ・ウィアー 著
    最先端ホログラム、近代の偉人、浮世絵の代表作が日本の新紙幣を飾る。
  • 課税強化に挑む時
    マリア・ペトラキス 著
    ギリシャ徴税当局のトップが納税コンプライアンスの向上に乗り出す。

2019年6月号:   

創設75周年を迎えるIMF

IMFが創設75周年を迎えるにあたって、今号のファイナンス&ディベロップメントではIMFが直面する課題と、こうした課題に対処するための最善策を評価するために最も優れた知識人の力を借り、次のような特集記事を掲載している。


バックナンバー

2019年3月号:   

女性と経済成長

女性が経済成長を支え、その一方で経済成長が女性を支えることを今、世界は発見しつつある。国際女性デーにあわせ、今号のファイナンス&ディベロップメントは女性のエンパワーメントが単に正しいことであるだけでなく、経済的にも合理的である理由を取り上げる。

  • 男女格差の解消をさらに前へと進める
    エラ・ダブラ=ノリス カルパナ・コーチャー 著
    男女格差は単に社会正義の問題ではなく、経済的にも同じくらい重要である。今こそ男女格差を解消すべきである。
  • 階層の分析者 ブランコ・ミラノヴィッチ
    クリス・ヴェリシュ 著
    IMFは格差研究の先駆者となったニューヨーク市立大学のブランコ・ミラノヴィッチを紹介する。
  • 今世界が取り組むべき緊急課題
    クリスティーヌ・ラガルド 著
    男女格差は単に社会正義の問題ではなく、経済的にも同じくらい重要である。今こそ男女格差を解消すべきである。
  • 日本の男女格差
    山口一男 著
    日本では男女間における職業機会の不平等と長時間労働が男女格差を永続させている。
  • 誰もが輝ける経済を築く
    カトリーン・ヤコブスドッティル 著
    経済を考え直す上で男女平等が持つ意味をアイスランド首相が語る。

2018年12月号:   

不透明な時代の社会契約 その再考

今号の「ファイナンス&ディベロップメント」はロンドン・スクール・オブ・エコノミクス (LSE)との協力のもとで編集されたが、人々が再び安心感を抱けるようにするために、また、開かれた経済と社会を持続させる政治的な支持をとりつけるために、社会契約が不可欠な理由を模索している。

  • 新しい社会契約
    ネマト・シャフィク 著
    ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス (LSE)のネマト・シャフィク学長がテクノロジーとグローバル化の恐怖を克服することがなぜ市民としての権利と義務を見つめ直すことを意味するのかを取り上げている。
  • 分かち合えないほど貧しい国はわずか
    マイケル・シション 著
    しっかりと設計された社会保護によって、迅速かつ効果的に格差解消と貧困削減を進めることができる。基本的な社会保護は世界のほぼ全ての国が実現可能な財政力と実現力を持っている。
  • 手を差し伸べる
    ピーター・ランガン リーマ・ナナヴァティ 著
    社会保護には様々なかたちがある。日本とインドからお届けするこの記事では、どちらの国の場合も社会保護が思いもしなかった苦境から人々を守るだけでなく、個人が自らの潜在能力を家族や地域、社会のために発揮できるように助けている。
  • 悪弊を一掃する
    ローダ・ウィークス・ブラウン 著
    マネーロンダリングは経済の安定性にとって直接的な脅威となる。IMFは資金洗浄を行う犯罪者を加盟国が特定し止められるように全力で支援している。
  • 変化を振り返る
    オブストフェルド調査局長インタビュー
    IMFチーフエコノミストを退任するモーリス・オブストフェルド調査局長が貿易摩擦、格差拡大、教育の重要性、米中関係について語る。

2018年9月号:   

飛躍する東南アジア

世界最速ペースで経済が成長する地域である東南アジア。この地域は壊滅的な影響を及ぼした金融危機を乗り越え、武力紛争や過酷な自然災害を経験してきた。東南アジアはそれでもグローバリゼーションがもたらした可能性を活かすことに成功し、競争力のある経済を構築し、東南アジア経済はグローバルなサプライチェーンで不可欠な役割を果たしている。同時に、何百万人もの人々が貧困を脱してきた。今号のF&DではASEAN加盟国が直面する多くの課題について取り上げる。例えば、気候変動、高齢化の急速な進行、人身売買、地政学的な変化が今まさにこの地域にとって脅威となっている。さらに今号では、心躍る機会を生み出しているデジタルテクノロジーや、女性の労働参加率向上、域内協力の進展についても議論する。

  • 勢いを保つために
    マヌー・バスカラン 著
    人口動態の変化から気候変動にいたるまで、東南アジアは数多くの課題に直面している。こうした試練に打ち勝つためには、レジリエンスと柔軟性が必要である。
  • アジアの働く女性たち
    アンガナ・バナージ, アルブ・ヨンバラジ, サンディル・フラチュワヨ, アン・バン・レ 著
    アジアでは女性の就業が進んでいるが、特にベトナムの躍進ぶりが目覚ましい。
  • 正念場を迎えた気候変動政策
    アーミット・プラカーシュ 著
    東南アジアは気候変動の影響を最も受けやすい地域のひとつ。温室効果ガスの排出量が世界最速ペースで増加している。
  • アジアのデジタル革命
    ターシン・サーディ・セディック 著
    デジタルイノベーションの新たな波が押し寄せるアジア。その姿は様変わりしつつあり、経済はさらなる成長可能性を見せ始めている。
  • デジタル時代の幕開け
    ジア・フェン著
    デジタル技術に備えるASEAN諸国だが、課題も残る。

2018年6月号:   

デジタル化する世界と通貨の未来

過去数年間で、フィンテックとも呼ばれる金融テクノロジーが従来型の決済手段に代わる方法を提供し、世界の人々の心を捉えてきた。ファイナンス&ディベロップメント最新号では、デジタル化が通貨を定義しなおしていくのかどうか、そして、良い点と悪い点を含めて、どのような影響が生じる可能性があるのかを取り上げる。

  • つまるところ デジタル革命とは何なのだろうか
    マーティン・ミューライゼン 著
    賢明な政策は、技術革命の混乱がもたらす短期的な痛みを軽減し、長期的な利益へと道を開くことができる。
  • 暗号通貨とは何か
    アントワーヌ・ブーヴレ ヴィクラム・ハクサー 著
    新しい形の貨幣となりうるものが、利益と同時にリスクをもたらしている。
  • キャッシュレス時代へ
    ステファン・イングヴェス 著
    世界最古の中央銀行の総裁が自国における通貨のデジタル化を考察する。
  • デジタル時代の金融政策
    ドン・ヘー 著
    暗号資産は、いつか中央銀行通貨の需要を減らすかもしれない。
  • 日出ずる国の ロボット
    トッド・シュナイダー ジー・ヒー・ホン アン・バン・レ著
    日本は労働人口の急減に直面している。

2018年3月号:   

財政のバランス 政府の「財布」を管理する

多くの国々が、高水準の公的債務・民間債務を抱えており、未来を抵当に入れている。こうした債務がしっかり管理されないと、経済成長が危険にさらされてしまう。今号のF&Dでは「どの規模に達したら、債務は過剰になるのか」について問う。

  • 財政再建の分かれ道
    アルベルト・アレシナ カルロ・A・ファベロ フランチェスコ・ジアヴァッジ 著
    歳出削減か、増税か
  • 好機を逃さず 今こそ財政再建を
    クリストフ・B・ローゼンバーグ 著
    財政の「屋根を直すとしたら、雨が降り出す前」に限る。
  • デジタル化が進む公共財政
    サンジーブ・グプタ マイケル・キーン アルパ・シャー ジュヌヴィエーヴ・ヴェルディエ 著
    テクノロジーが今、政府の徴税と支出のあり方を変えている。
  • 債務の網目
    マーク・デ・ブルック エラ・ダブラ=ノリス ニコラス・エンド マリナ・マリンコフ 著
    蜘蛛の巣状につながった戦間期の政府債務
  • 経済学者の声 - 「大脱出」の達人
    経済学理論と測定手法、そして、政策と人々の生活。 これらを結びつけるアプローチを打ち出したアンガス・ディートン教授。 IMFのピーター・J・ウォーカーが教授の経歴を紹介する。

2017年12月号:   

変動する中東

今号のF&Dがスポットライトをあてるのは、中東と北アフリカ。2011年に起こった「アラブの春」以降、急速に進んだ変化について振り返る。この期間、何百万人もの人々が明るい未来を思い、胸を躍らせた一方で、数えきれない人々の間に失望が広がった。

  • 今こそ 行動の時
    ジハド・アズール 著
    今後数十年にわたる繁栄を築くために必要な改革を中東・北アフリカ諸国が実行するチャンスが到来した。
  • 女性の社会進出 バイアスとバリア
    ナジラ・ファティ 著
    アラブ世界では、女性労働参加率の向上が経済成長を加速させうる。 しかし、簡単には越えられない壁がある。
  • 採掘前から始まる 資源の呪い
    ジェームズ・カスト デイヴィッド・ミハイリ 著
    油田の発見は熱狂的に歓迎されるも、その後に経済危機をもたらしうる。
  • 経済学者の声 - 遅咲きの経済学者
    オーター教授は輸入がアメリカの労働市場に与える影響について先駆的な研究を行った。 ファイナンス&ディベロップメント編集部のクリス・ヴェリシュがマサチューセッツ工科大学の経済学者、ディヴィッド・オーター氏の横顔を紹介する。

2017年9月号:   

試練に立つ国際協力

F&Dの2017年9月号では、世界が直面する重要課題を検証する。多国間主義や、国境を超えた統合の継続がもたらすメリットを疑う声が広がる中で、世界は複雑なグローバル課題にどう向き合うべきなのか。

  • ブレトン・ウッズからブレグジット
    ハロルド・ジェームズ 著
    第二次世界大戦後に主流となったグローバルな経済協力が今、新たな政治的勢力の挑戦を受けている。
  • 変貌する銀行業界
    トマソ・マンチーニ・グリフォーリ 著
    新たなテクノロジーによって金融サービス業界が生まれ変わる。
  • 緊縮財政下の保険医療政策
    ラマナン・ラクシュミーナラヤン イアン・パリー 著
    国家歳入が伸び悩む中でも、健康改善に狙いを定めた税や補助金の再設計が、より健やかな国民生活を可能にする。
  • 経済学者の声 - 経済学界の風雲児 使命に邁進
    リカルド・ハウスマン氏は、生涯をかけて経済発展の原動力を解き明かそうとしてきた。その横顔を、本誌編集長のカミラ・ルンド・アンダーソンが紹介する。