2020年3月号 英語版
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デビット・E・ブルーム
「人口動態は運命である」。しばしば引用されるこの警句は、国の社会・経済・政治の姿が長期的に、人口の規模や伸び、構成によって決定づけられることを示唆している。これは、各国社会が直面する数多くの複雑な課題や機会を形成する上で人口動態が果たす役割を浮き彫りにしている。そうした課題や機会には、経済の成長や発展に関係するものも含まれる。 とはいえ、人口動態ですべてが決まるというのは言い過ぎだ。それは、人口推移とその開発への影響が、経済的インセンティブや政策・制度の改革、そして技術、文化的規範、行動の変化に対して敏感だという事実を軽視するものだからだ。
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アンドリュー・スコット
過去150年の間に、人類にとって最も偉大な成果のひとつが成し遂げられてきた。1870年には30歳程度だった世界の平均寿命は、現在では73歳となり、かつ延び続けている(Deaton 2015)。 世界中で、人々は概して過去の世代と比べて、より長く、より健康な人生を送れると期待できるようになっている。
ジー・ヒー・ホン トッド・シュナイダー
人口構造の変化は世界経済に重大な影響を及ぼしている。ただ、それは我々がかつて想定していたような形ではない。
ポー・リン・タン
世界的に見て、出生率は低下傾向にある。先進国の合計特殊出生率は人口置換水準である2.1を軒並み下回るようになったが、その中でも最低水準を記録しているのが日本、韓国、シンガポール、台湾であり、上海や香港特別行政区のように所得水準の高い中国の都市も同様だ。この地域では、移民を受け入れない限り、高齢化と人口減少が急ピッチで進行していくだろう。
アメリカ大統領選挙が熱を帯びる中、年金問題の権威である経済学者、オリビア・S・ミッチェル(66歳)は候補者たちに警告を発する。