短期流動性枠(SLL)は、政策枠組みやファンダメンタルズが非常に強固である加盟国を対象に、国際収支面の困難をもたらす外的なショックの結果、大規模でない流動性を短期的に必要としうる場合に利用できる流動性の安全策です。短期流動性枠はショックがより深刻な危機へと発展し、他の国への波及効果が生じるリスクを最小化することを目指しています。

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目的

国外の動向に伴って生じる資本収支圧力に関連した大規模でない国際収支ニーズが短期的に発生しうる場合に支援を提供します。

適格国

非常に強固な経済ファンダメンタルズと制度的な政策枠組みを有する。

非常に強力な政策を導入した持続的な実績、または強力な政策を導入している最中であり、今後もそのような政策を維持するというコミットメントを示している。

直近の4条協議で政策についての評価が良かったことに加え、以下の基準を満たしている必要があります。

  • サステナブルな対外ポジション
  • 民間フローが支配的な資本勘定のポジション
  • 有利な条件で、国際資本市場への安定的・独立的なアクセスを有してきた実績
  • 比較的余裕のある‌外貨準備ポジション
  • 持続可能な公的債務のポジションなどの健全な財政
  • 健全な金融および為替政策枠組みの下で、低く安定したインフレ
  • 金融システムが健全で、同システムの安定を脅かすような支払い能力上の問題がないこと
  • 効果的な金融部門の監督
  • データの完全性と透明性 

上記の基準は、柔軟与信枠 (FCL)と同じです。‌これにより、関連する国際収支上のニーズの要件が満たされている場合、FCLからSLLへの移行や両制度の並行利用が円滑に進められます。

 

コンディショナリティ

承認のためにはIMFの理事会 が対象国にSLLを提案します。SLL適格性により証明されているとおり、政策枠組みが強固であることを踏まえ、事後の(「プログラム」)条件はありません。

承認を得るためには、ふたつの選択肢があります。(i) IMF理事会が提案する。当局が2週間以内に、署名をした書面によるコミュニケーションにより承諾することが条件となります。(ii)対象国がスタッフレポートに添付された書面によるコミュニケーションを通じて、SLLを要請する。SLL取極は、理事会による要請の承認を受けて有効となります。一定の要件が満たされる場合、文書によるコミュニケーションを条件に、中央銀行のみが署名者となることもできます。

審査手順

審査なし

条件

期間

12 か月

返済期間

12 か月


金利

純粋に予防的に活用する場合、利用枠の規模が同水準の柔軟与信枠FCL)よりも安価です。

加盟国が借り入れた場合、以下の料金を適用します。

融資金利は以下によって構成しています。

  • 市場で決定される特別引出権(SDR)の金利(下限は5ベーシスポイント)とマージン(現在は100ベーシスポイント)、これらを合わせて基本金利といいます。
  • 上乗せ金利。これは融資残高の金額と融資期間に基づいて計算します。各国の クォータ187.5%を超える融資残高については、200ベーシスポイントの上乗せ金利を適用します

融資残高が3年後もクォータ187.5%を超えている場合は、この上乗せ金利は300ベーシスポイントに上昇します。‌上乗せ金利の目的は、多額のIMF資金の長期間使用を抑制するためです。

返金不可の8ベーシスポイント(bps)の契約手数料と21bpsのサービス料。 

SLLのプログラムを2回利用する場合、料金は利用枠の規模が同水準のFCLの料金に匹敵します。

利用枠と並行利用

利用枠はクォータの200%を上限とし、出口戦略を明らかにすることは求められていません

リボルビング式で利用できる制度であるため、この制度に基づく個々の融資取極めの中で、また複数の融資取極めをまたいで、全額もしくは一部の買い入れと買い戻しを繰り返すことができます。加盟国は買い戻しを行うことで、承認された利用上限額まで再び買い入れすることができるようになります。

加盟国が資格を維持し、特別な国際収支上のニーズがある限り、これに続く取極が承認される可能性があります。外的リスクおよび潜在的な国際収支上のニーズの性質と規模によって正当性が示される場合は、FCL(同じ適格性基準を適用)との並行利用が認められます。

 

その他の融資制度

IMFの融資について、また、SLL以外の融資制度については、各ファクトシートをご覧ください。

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更新は 2023年10月でした