早期警戒演習とは

早期警戒演習とは

早期警戒演習(EWE)は、発生する可能性は低いものの世界経済に大きな影響を与える可能性のあるリスク(テールリスクとも言う)についてのIMFと 金融安定理事会(FSB)による半年ごとの評価です。G20 が2008年に両機関に対し、早期警戒演習に共同で取り組み、さらなるシステミックショックにつながる可能性のあるテールリスクと脆弱性を政策当局者が見つけられるように支援するよう要請した際に発足しました。

早期警戒演習をどのように活かすか。

IMFはEWEによって、特に経済や金融、財政、外的リスク、部門間・国境を越えた波及効果の分析について、政策助言を強化します。EWEは、IMFの世界的なサーベイランスに関する旗艦報告書である「世界経済見通し」「国際金融安定性報告書」「財政モニター」と調整して1年に2回実施します。IMFは、国・地域・世界のサーベイランス活動を通して、EWEの調査結果と政策提言を追跡します。

早期警戒演習をどのように活かすか。

システミックなテールリスクの評価

システミックなテールリスクの評価

EWEは、世界経済見通し, 国際金融安定性報告書, 財政モニターで提示したベースライン予測に関連し、追加の政策提言が必要な、確率は低いが起こり得るリスクを調査します。EWEは危機を予測しようとするものではなく、システミックな危機を引き起こしかねない脆弱性を特定するとともに、国際協調が必要なものも含めたリスク軽減政策を明らかにすることを目指しています。

FSBとの協調

FSBは、IMF加盟国の金融監督機関と中央銀行を代表しており、よってIMFにおける多国間の調査と分析を補完します。EWEはリスクと脆弱性に関する統合的な視点を提供することを目的としているため、IMFとFSBはこの演習で緊密に協力しています。IMFは、経済とマクロ金融、ソブリンリスクに関する中長期的な課題で、一方FSBは、金融システムの規制や監督に関する短期的な課題で主導的な役割を担っています。

Collaborating with the FSB

分析の礎

分析の礎

EWEは、IMFが定期的に実施する各加盟国のサーベイランス(政策監視)と危機対策業務や、市場参加者と学界関係者とのコンサルテーション(協議)など、分析作業や市場の情報、専門家の意見を基にしています。

調査結果の公表

EWEの結果は、IMF理事会で話し合い、そしてFSBと協議した後、IMF・世界銀行の春季会合・年次総会で各国高官に公表します。この知見は、IMFの政策助言におけるテールリスクの議論の材料ともなります。

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前回の更新は 2023年1月でした