G20財務相・中央銀行総裁会議におけるゲオルギエバIMF専務理事の発言

2020年4月15日

ワシントン DC – 本日行われたG20財務大臣・中央銀行総裁会議において、クリスタリナ・ゲオルギエバ国際通貨基金(IMF)専務理事は次の発言を行った。 

未曽有の危機の中でG20の会議を主催してくださった議長国サウジアラビアの皆さま、そして人々と経済を守るために多大な努力を払っている皆さま全員に御礼申し上げます。8兆ドルにも及ぶ財政政策が講じられ、各国の中央銀行が潤沢な流動性を供給した結果、企業と家計に回復への道が開かれました。また、皆さまには最貧国の債務返済を期限付きで停止するイニシアティブまで取っていただきました。この時宜を得た対応を心から歓迎します。

IMFは新興市場国や低所得国を対象とした危機対策を講じるように皆さまから要請を受け、次に申し上げる対応を行ってきています。

  • IMFは緊急融資の年間限度額を倍増しました。申請国の数は既に100か国を超えており、今月末までにその半分がIMF理事会によって承認される予定です。既に緊急援助を受けている国は10か国あります。
  • 今週月曜日、IMF理事会は加盟国25か国を対象に即時の債務救済を承認しました。この措置に惜しみない拠出をしてくださった加盟国には感謝の意を表し、他の国には貢献を呼びかけたいと思います。
  • 現在、IMFでは、強固な政策をもつ国に向けた新しい短期流動性枠を検討しています。

しかし、私たちにはさらなる対策を講じる必要があります。皆さんもご存じの通り、2020年は深刻な景気後退に陥ると予測されており、2021年にも部分的な回復しか見込まれていません。加盟国による厳しい景気後退期のかじ取りと回復を支援するために、IMFにはあらゆる支援手段と1兆ドルの融資能力を活用する用意があります。一方で、プログラムを賢明に活用する必要性も、良好なガバナンスを強化する必要がある点も意識していきます。

第2に、低所得国を支援するために譲許的融資の規模を3倍に拡大する予定です。したがってIMFは貧困削減・成長トラストの新たな融資資金180億ドルの確保に急いでおり、補助金の資金もまた最低18億ドルは必要になるでしょう。こうした状況で、特別引出権(SDR)の活用が有効かも検討していきます。

第3に、融資と政策支援の双方について、その力点を倒産・失業が長きにわたって残す経済的な爪痕を減らすことに置き、素早い回復を下支えしていきます。そして、多くの加盟国が資本流出や膨らんだ債務に直面し続ける中、IMFは他の国際機関や、国際的な会合、民間の利害関係者と密接に連携することで、加盟国が危機に対処し、この事態を乗り切ったときに各国の強靭性が高まっているように支援していきます。

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