1. アジア太平洋地域事務所（OAP）を紹介して下さい。

オッドパー・ブレック: IMFアジア太平洋地域事務所（OAP）はアジア太平洋地域が世界経済に果たす重要な役割、またそうした重要性の高まりに鑑みて、1997年にIMFの窓口として東京で設立されました。OAPの役割は、アジア太平洋地域のサーベイランス、日本とモンゴル各国における二国間サーベイランスへの協力、APECやASEAN+3といった域内の国際会議への参加、地域セミナーやJISPAを通じたキャパシティ・ビルディング業務、対外広報活動、IMF本部業務への支援などがあります。

2. IMFがJISPAに携わる理由とOAPによる同プログラム運営の経緯を教えて下さい。

石井詳悟: オッドパーが説明した通り、IMFの3大業務の1つであるキャパシティ・ビルディング（他の2つはサーベイランスと融資業務）の取組みの一環としてOAPはいくつかのキャパシティ・ビルディング業務に携わっています。日本政府とIMFはマクロ経済運営に果たす制度面のキャパシティ・ビルディングの重要性に対する認識で一致しており、両者はアジア太平洋地域の持続可能な経済発展に寄与するという共通の目標を持っています。この目標の達成に向けて、日本政府とIMFは主要経済関連省庁の幹部候補生の研修として奨学金供与に合意したのです。

当初、JISPAはワシントンDCにあるIMF本部のIMF研修所（現在のIMF 能力開発局）が運営していました。その後OAPが東京に設立されると、2001－02年度のJISPA拡大に伴い、プログラムのモニタリングや日本の大学との調整の円滑化のために運営機能がOAPに移管されました。

3. IMF/OAPのJISPAへの関与について主な特徴と強みを教えて下さい。

オッドパー・ブレック: JISPAのユニークな点は、プログラムの対象をIMFの業務内容と整合的な、マクロ経済及び金融関連分野を学びたい主要経済省庁の幹部候補生に絞り込んでいる点です。こうした背景とプログラムの目的を踏まえれば、IMF/OAPの関与によりJISPAは恩恵を得ていると考えられます。例えば、OAPエコノミストは履修カリキュラムがマクロ経済と政策に重点分野を置くよう、カリキュラムの作成や評価の際にアドバイスをしています。またアジア太平洋地域における各国のIMF駐在代表と主要経済省庁間の緊密な関係を通じてJISPAは奨学生候補の募集を行っています。

4. JISPAの今までの実績をどのように評価していますか？ 奨学生の出身国、日本、IMFとの関係でお願いします。

石井詳悟: JISPAは著しい成功を収めたと考えています。JISPA同窓生の多くが幹部職に昇格し、政策決定で重要な役割を果たしていることに大きな喜びを感じています。奨学生の派遣元省庁は日本政府とIMFによる長期的サポートを評価しています。同窓生の一部は日本との調整や交渉が必要な分野で活躍しています。また、IMFの交渉窓口となる人物の多くもJISPA同窓生となっています。

5. JISPAの質の管理についてOAPの関与を教えて下さい。

オッドパー・ブレック: OAPは東京に拠点を置く地の利を生かして大学との緊密な連携をはじめとしてJISPAの日常的運営に携わっています。提携大学の履修プログラムに対するフィードバックを得るため、OAPスタッフは各大学を訪問してJISPA奨学生と意見交換の場を設けています。さらに、OAPは奨学生選考プロセスを一元化しており、全提携大学の教授陣で構成される選考委員会との緊密な連携や協議を行っています。このような一元化された選考プロセスのおかげで、志願者全体の中から最も高い潜在力を持つ奨学生を選考出来るのです。

日常的な運営業務に加え、OAPは大学が提供するプログラムの質を確保するシステムを導入し確立しました。OAPは提携大学を選定する公開入札を定期的に実施しています。次年度である2013－14年度には各提携大学のプログラム並びにOAPのJISPA業務について、内部中間評価を実施予定です。

JISPAはOAPが行う主要業務の1つです。OAPはIMFのキャパシティ・ビルディングの一環としてプログラムの質を確保する取り組みを続け、日本政府との協力の下、アジア太平洋地域の経済発展の寄与に強くコミットメントしていく所存です。

6. OAPがJISPA奨学生向けに行っている活動について紹介して下さい。

石井詳悟: 「日本－IMF」奨学生としてのアイデンティティを醸成するためにさまざまな活動を企画・実施しています。こうした活動はIMFの業務と専門知識を活用したものであり、奨学生が大学で受ける専門教育を補完していると思います。例えばOAPエコノミストや来日するIMF本部エコノミストの参加を得て、マクロ経済や金融分野での時事的な政策課題を討議するJISPAセミナーを定期的に開催しています。また、JISPA奨学生はOAP主催のハイレベル地域セミナーにオブザーバーとして招かれ、最前線の政策議論のみならず地域フォーラムの雰囲気に接することが可能です。またOAPは国際大学との協力のもとにアカデミック英語と数学スキルの再学習を目的としたオリエンテーション・プログラムを新規奨学生向けに企画しています。また、JISPA奨学生が日本滞在を楽しく過ごせるよう、このオリエンテーション・プログラムでは基礎的な日本語と日本文化の講座も提供しています。

私自身、そうした活動に参加してきましたが、セミナーでの活発な討議やOAPとの会合を通して、奨学生の勉学に対する熱心な姿勢と意欲に常々感心させられたものです。

7. OAP所長として3年を過ごし、JISPAの運営と活動に深く係わってきました。その中で印象に残った経験を紹介して下さい。

石井詳悟: JISPA運営とさまざまな活動の取り組み、とりわけ奨学生や同窓生との交流は印象深くまた楽しみでもありました。キャンパス訪問では、提携大学の教授陣がJISPA奨学生の優秀な学業成績と意欲を高く評価していたことがとても嬉しかったです。昨秋、JISPAのプロモーション活動でミャンマーを訪問した際には、JISPAの多くの同窓生がIMF代表団との交渉に携わっているのを見て、JISPAが途上国の経済発展に大きく寄与をしていることを認識しました。

8. 2013年7月にOAPの所長に就任しました。今後JISPAをどのように運営していきますか？またJISPAの方向性をどのように考えていますか？

オッドパー・ブレック: JISPAはすでにアジア太平洋地域、日本、そしてIMFにさまざまな面で良い影響を及ぼしてきました。OAPは今後もJISPAのプログラム運営に深く携わり続けるでしょう。とりわけ、提携大学による履修カリキュラムをモニターし、その実効性を今後も確保したいと考えています。履修カリキュラムはJISPA奨学生に洗練された知識とスキルを授け、彼らが将来直面するだろうマクロ経済や金融分野の複雑な政策課題を解決出来る能力を身に付けさせるものでなければなりません。

さらにアジアにおけるIMFの 窓口であるOAPは、地域フォーラムへの参加や地域セミナーの開催に際して、主要経済省庁におけるJISPA同窓生の広範なネットワークを積極的に活用してきたいと思います。JISPAプログラムはより良いマクロ経済運営と国際的な政策協力に寄与し、奨学生の出身国のみならず、日本、アジア太平洋地域、そして世界経済に恩恵をもたらすことが出来ると私たちは堅く信じています。

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発表された修士論文の内容は極めて興味深く、活発な議論の結果、実用的な政策インプリケーションを含む有用な洞察が得られました。論文発表後は奨学生の学業修了を祝う卒業レセプションが開かれました。

修士論文発表会についての奨学生のコメント: 2013年6月18日に開催された初めての「IMF-OAP JISPA修士論文発表会」に参加できて幸運でした。プログラムは実際のシンポジウムの雰囲気に慣れ、互いの研究について他の奨学生と意見交換する良い機会となりました。発表された4本の研究論文はどれも内容的に素晴らしいものでした。ですが時間の制約から発表者は論文の内容を十分に説明出来なかったように見受けられました。プログラムそのものは双方向で完全なパッケージとして良く練られたものでした。発表後は討議参加者のコメント、コメンテーターのコメントと続き、論点に対する理解を深め、さらなる議論を誘発するものでした。またプログラム全体で私が最も興味深く感じたのは、このプログラムによって高められたJISPA奨学生の研究に対する熱意でした。この熱意は、発表された研究内容に対して聞き手の奨学生の間で絶え間ない意見交換が行われたことにも示されています。IMF-OAPによるこうした取組みを評価します。今後は経済、金融分野をテーマとして開発問題を含むより代表的な研究論文が発表され、修士論文発表会が今後何年も継続することを望みます！（ベド・ラジ・ピュイエル氏、2011-13年、東京大学、ネパール国家計画委員会）

ハイレベル・セミナー: OAPは、「為替市場発展についてのキャパシティ・ビルディングセミナー」をIMF金融資本市場部（MCM）、シンガポール研修所（STI）と共同で2013年6月12-14日にタイ・バンコクで開催しました。セミナーには為替業務に携わるカンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムの政府関係者が招かれ、業務に関連した運営上の知識と政策課題について関係者が討議することで認識を深めました。セミナーは特に為替介入や入札をはじめとする外国為替市場の発展についての議論を中心としたものでした。同セミナーには、コモリー・キムティ氏（カンボジア国立銀行）、カイン・シュウェ、ワー氏（ミャンマー中央銀行）、 フン・ベト・リー氏（ベトナム国家銀行）の3名のJISPA同窓生が参加し、このうちリー氏はカントリー・プレゼンテーションを行いました。またセミナーは、同窓生同士やOAPエコノミストとの交流を通じ、ネットワークを強化する機会となりました。

卒業式と受賞者: 国際大学、一橋大学、東京大学でそれぞれ6月26日、7月31日、8月1日に卒業式が行われました。一部のJISPA奨学生は厳しい勉学の成果として優秀な学業成績を称える賞を受けました。ハリー・アギンタ氏（インドネシア銀行）、スレリーク・モン氏（カンボジア国立銀行）、ラム・クリスナ・レグミ氏（ネパール国家計画委員会）の3名の国際大学-JISPA奨学生は研究科長賞を受賞しました。一橋大学では、リザ・プテラ・ナゾリ氏（インドネシア銀行）が最優秀論文賞を受賞し、ルネ・クリス・パギオ・リベラ氏（フィリピン財務省）が成績優秀賞を受賞しました。東京大学で行われた卒業前のセレモニーでは、ウィンチョン・シュウ氏（中国海関総署）がクラス最優秀者として学生代表スピーチを行いました。

オリエンテーション・プログラム: 28人の新たなJISPA奨学生が7月15日に始まったオリエンテーション・プログラム（英語の部）に参加しました。また、英語を公用語とする国から来日した7人の奨学生は8月12日から同プログラムの他のコース（数学／コンピュータースキル、経済学入門、日本語、異文化理解）に参加しました。OAPスタッフは8月28日に国際大学を訪問し、クラス見学と教授陣との会合を行いました。この訪問中、OAPシニア・エコノミストのジョバンニ・ガネーリ氏は「グローバル経済におけるIMFの役割」と題する講義を行いました。またOAPのプログラム・オフィサーもプレゼンテーションを行い、IMFとJISPAに対する日本の貢献について説明しました。これらのプレゼンテーションとその後の質疑応答セッションは、JISPA奨学生にIMFの役割と、IMFのキャパシティ・ビルディングの取組みに対する日本の長期的なサポートに対する認識を深められる機会を提供しました。

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1. JISPA修了後の経歴を簡単にご紹介下さい。JISPAの体験はキャリア形成にどのように役立ちましたか？

JISPA修了後、モンゴルの財務省に復職して外国借款及び援助政策局の副局長に昇格しました。2012年に開発融資及び協力局の局長に昇格しました。2013年3月に実施された現政権内の再編に伴い、金融政策及び債務管理局の局長という現在の役職に任命されました。JISPAが私のモンゴル政府内でのキャリアに極めて大きく役立ったことを深く感謝しています。

2. 日本との、あるいはアジア太平洋地域での協力・連携に関連する業務に就かれたことはありますか？　その場合、どのような内容でご経験だったかを教えて下さい。

市場経済への移行に伴いモンゴルが多くの経済上の課題に直面した1990年以降、日本とモンゴルは極めて緊密な関係を発展させてきました。日本は無償資金供与や借款を通じてモンゴルを支援する最も重要な国の1つであり、さまざまな財政・金融上の問題解決をサポートしてくれました。以来、日本モンゴル間の協力関係は一貫して強化拡大しています。国際協力機構（JICA）、国際協力銀行（JBIC）、日本政策金融公庫（JFC）を通じて日本政府が支援してきた多くのプロジェクトやプログラムにおいて、モンゴル財務省での14年間の経験で、私はモンゴル政府を代表する立場で直接携わってきました。また、アジア開発銀行下の中央アジア地域経済協力（CAREC）、国連開発プログラム（UNDP）下の大図們江イニシアティブ（GTI）などの地域プログラムにおいても、モンゴル政府を代表する立場で中心的役割を果たして来ました。

3. 2013年2月に金融政策及び債務管理局の局長に就任されました。局長の仕事を簡単にご説明いただき、（もしあれば）直面している懸案事項について教えて下さい。

モンゴルは現在、開発における極めて重要な時期を迎えています。モンゴル経済は2004年以降、年率10％を超える成長が続いてきました。とはいえ資本市場の脆弱性、多大な政府債務、オランダ病のリスクをはじめとする多くの課題に国内経済は直面しています。今後数年間にモンゴル政府が優先課題とするのはマクロ経済の安定確保、インフレ抑制、適正な経済成長の維持です。この点に関し、私が管轄する局は、債務管理、政府系投資ファンドの創設、国内債券市場開発などの法案策定に当たっています。

当局の主要な3つの業務は次の通りです。

• 金融分野の政策
• 債務管理
• 政府系投資ファンドの運用

4. 2012年に東京で開催されたIMF-世界銀行年次総会に参加されました。年次総会、または東京滞在中に有用と思われた出来事を教えて下さい。

直近では、2012年10月に東京で開催されたIMF-世界銀行の年次総会に参加しました。IMFのラガルド専務理事や世界銀行のキム総裁によるユニークでインスピレーションを感じる力強いスピーチが興味深かったです。年次総会のおかげで他国を代表する人々と意見交換し、体験を分かち合う重要な機会を得られました。

年次総会の参加機会を活用してモンゴル財務大臣と共に、私が卒業した一橋大学のアジア公共政策プログラム（APPP）を訪問する機会を得、10年前の懐かしい体験を思い出すことが出来ました。

左から：有吉教授・APPPディレクター、チュルテム・オラーン・モンゴル財務大臣、ドルジハンド氏
一橋大学APPPキャンパス、東京、2012年10月

5. 日本での学生時代、専門や研究上の関心、生活体験について簡単に教えて下さい。

日本での学生生活は、新たな知識や経験の学習を存分に行えた、極めて有意義なものでした。APPPは政府官僚と中央銀行職員に最も適したプログラムの1つだと思います。日本の財務省で1年以上を実務研修生として過ごし、それにより懸命に働き上司・先輩の方々を敬うことを学びました。日本留学時代は私にとって最も幸福で記憶に残る時間でした。

6. 現在のJISPA奨学生と奨学生志望の人たちにメッセージをお願いします。

帰国すれば、研究や学習、仕事を通じた自己開発のための時間は必ず少なくなります。ですから、時間を賢明に管理して日本滞在中に大学教授や政策担当者から出来るだけ多くの知識を吸収して下さい。

7. 日本に対するメッセージをお願いします。

日本の政府機構と150年の歴史を持つ官僚制度は学ぶ点が多い極めて有用なモデルと考えます。ですから、今後途上国の政府官僚と中央銀行職員向けの奨学金制度を今以上に拡大することが極めて重要だと考えます。

8. 他に伝えたいコメントがあったらお願いします。

日本－IMF奨学生だったことは私にとって大きな名誉です。日本、IMF、モンゴルの一層の協力に向けて架け橋となる仕事をしたいと思います。

左から：ルブサンダッシュ・モンゴル大統領上級顧問(JISPA同窓生)、黒田ADB総裁(当時)、ドルジハンド氏
ADB-モンゴルパートナーシップフォーラム、ウランバートル、2011年10月

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1. 日本に留学する前の職務内容について教えて下さい。

2008年から2011年までほぼ3年間、カンボジア国立銀行の為替管理部（外貨準備局）に勤務しました。担当はポートフォリオと保有証券の記帳、会計管理でした。また行内で選ばれて米国、韓国、インド、タイなど外国での外貨準備管理を主なテーマとしたセミナーやカンファレンスにも参加しました。こうした日常業務に加え、カンボジア国立銀行が組織する国際会議を支援する連絡要員（LO）としても活動しました。

2. 日本で勉強しようと思ったきっかけは何ですか？また、JISPAへの応募動機は何ですか？

10年生だった頃から日本留学は人気だと聞いていましたから、自分に向かって「日本で勉強するために奨学金を得なれければ」と言い聞かせて来ました。大人になると、それ以外にも日本に留学したいと思う理由が出てきました。(1)　日本は最も高い経済成長を遂げた国の1つで、高い教育の質と技術イノベーションを持つ国である、(2) 日本人は働き者で親切である、(3) 治安が良い－などです。日本はこれまで数々の深刻な自然災害に見舞われてきましたが、そのたびに短期間で立ち直って来ました。どうしてそんなに早いのだろう？　個人的には日本の経済システムが適切に機能していることに答えがあると考えています。これらを日本から学びたいと思ったのです。

カンボジア国立銀行で日本留学した職員の大半はJISPA奨学生であり、同窓生は現在、マネージメントレベルで重要な役割を果たしています。また、JISPAは有用な履修プログラムやセミナー、実地研修などを含む修士プログラムを提供していることも志望した理由です。

3. 何を勉強していますか(勉強しましたか)？

国際大学の修士課程で経済学を勉強しました。このコースでは基礎的な経済学の講座だけでなく、仕事に役立ち、興味がある分野でもあるマクロ経済と政策分析、日本経済、マクロ経済政策、中央銀行論といった講座も履修出来ました。また、国際大学には大学での学習内容の理解を深めるための実地研修もありました。

国際大学のJISPA奨学生向けのコースは、将来、仕事で直面すると思われる政策の実施や評価に役立つものです。

4. 6月の修了時に研究科長賞に加えて国際関係カウンシル（IRC）から貢献を称える賞を受賞しましたね。IRCについて簡単に説明し、こうした賞を受賞した理由を教えて下さい。

日本留学時には多くの貴重な体験をしました。その中で最も思い出深いのは国際関係カウンシル（IRC）のメンバーだったことです。私たちは学問上の問題を解決し、起きる可能性のある問題に対処するため学生と教授陣の間の架け橋となるべく緊密に協力しました。具体的には論文を互いに評価するセッションを設けたり、学内誌を発行したり、実地研修を組織したりしました。こうした本業の勉強以外の活動によって、問題解決スキルを身に付け、人間関係を築き、広げることが出来ました。このほか、2年間の日本留学では本業の勉強も一生懸命にやったおかげで、2013年6月の修了時には研究科長賞を得ることが出来ました。

5. JISPA関連の体験話・感想（Orientation Program、セミナーやIMF/OAPエコノミストとの交流イベント等）をお願いします。

IMF/OAPのスタッフは年に1度、大学を訪問してJISPA奨学生と面談します。面談では課題や悩み、勉強や日常生活についての全般的な感想を述べます。OAPは JISPA奨学生向けに経済問題についてテーマ別のセミナーを開催しており、そのおかげで奨学生は国際的な会議の環境に慣れ、IMF、日本の財務省や日銀のエコノミストに質問したり、彼らと話し合うことが出来ました。特に2012年10月9-14日に東京で開催されたIMF-世界銀行年次総会では経済の見通し、貧困の撲滅、経済開発、援助の有効性などについて全ての関係者から貴重な情報を得られました。さらに、こうした機会を通じて他の大学で学ぶJISPA留学生と出会う機会が生まれ、互いの経験について語り合うことが出来ました。これら全てはJISPA奨学生でなければ体験することが難しかったでしょう。

6. JISPAで学んだことを将来どのように本国での業務に活かしたいですか。

物理的資本と技術に加え一般に、人的資本の開発が経済成長の主要な牽引力であるとされています。ですから私がやるべきことはカンボジアの人的資本の改善に役立つことです。経済修士号の取得によって、講義を行ったり、特に経済関連分野で関心が高い問題について研究を行うための資格が得られたと考えています。

7. 将来の夢、キャリアビジョンは何ですか？

カンボジア国立銀行での業務の一環として経済政策の意思決定に参加し、カンボジアを前進させ次世代のための経済知識を創り出せればと思います。

8. 好きな言葉は何ですか？

「行動の伴わないビジョンは時間の無駄であり、ビジョンを伴わない行動は悪夢である」

9. 日本へのメッセージ

日本がなければ、今日の私もない！

10. 他に伝えたいことはありますか？

最後にこの奨学生制度の機会を与えてくれたJISPAに特別な感謝を捧げたいです。留学で得た知識と経験を賢明に用いたいと思います。

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