世界銀行グループとIMF、気候変動対策の規模拡大に向け 共同の取り組みを深化

2024年5月31日

ワシントンDC: 世界銀行グループ(WBG)と国際通貨基金(IMF)は、各国が気候変動の脅威に立ち向かうための対策を拡大することを支援すべく、枠組み強化を通じて協力を深化している。

この協力は、政策改革と気候投資に対する各国主導の統合的アプローチを採用することで、各国の気候戦略の重要な支えとなる。世界銀行グループとIMFは、それぞれのマンデートの範囲内で、分析、技術支援、資金調達、政策に関する専門知識を活かし、各国主導の改革プログラムを強化する。

この枠組みを支えるのは、次の3つの原則である。

  • 第1に、それぞれの国および世界銀行グループ、IMFが緊密に協力し、各国が抱える気候変動の課題と、その解決に必要な優先的な政策改革を特定する。この作業は、世界銀行グループの国別気候・開発報告書(CCDR)とIMFの気候関連分析、各国の気候分野の志を基にする。
  • 第2に、世界銀行グループとIMFは、他の国際開発金融機関や開発パートナーと協力し、技術支援や融資を通じて各国の改革実施を支援する。
  • 第3に、世界銀行グループとIMFは、要請があった場合、民間部門からも含め追加の気候資金を動員するように設計された国主導型プラットフォームの設立を支援する。

強化された枠組みは、2023年9月にIMFと世界銀行の連携を拡大―IMF・世界銀行共同声明が発表されて以降の教訓を踏まえている。

両機関の協力強化は、各国主導のパートナーシップを促進し、政策改革を活性化し、各国の気候ニーズを満たすための投資を拡大する。また、この共同の取り組みは、両機関が拡大した気候変動対策資源を最適化し、開発パートナーや民間部門からの追加資金を呼び込む。

世界銀行グループは、2025年までに年間融資の45%を気候変動への適応と緩和に充てることや、2030年までにアフリカの2億5,000万人に再生可能エネルギーを提供すること、気候危機の打撃が大きい人々を支援するための危機ツールキットを拡大することなど、新たな措置を講じて気候変動対策を強化している。また、バランスシートを最適化しているほか、堅固な国際開発協会(IDA)第21次増資および新たな「居住可能な地球基金(LPF)」に向けて資金調達している。

IMFは、23か国からの寛大な拠出によって成り立っている強靭性・持続可能性トラスト(RST)の支援を受けて、各国が気候変動に対する強靭性を構築することを支援している。2022年10月のRST運用開始以来、すでに18か国が同トラストの恩恵を受けている。世界銀行グループとIMFの協力枠組みの強化により、RSTを通じて活かされるSDRのインパクトがさらに高まることが期待される。

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