IMF専務理事、アジア太平洋局長に クリシュナ・スリニバーサンを任命

2022年6月8日

ワシントン DC: 国際通貨基金(IMF)のクリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事は本日、クリシュナ・スリニバーサン氏をアジア太平洋局長に任命する意向を発表した。スリニバーサン氏の任命は2022年6月22日付けで発効する。2022年3月23日に退職を 発表 した李昌鏞(イ・チャンヨン)の後任となる。

インド国籍であるスリニバーサン氏は、1994年にエコノミスト・プログラムを通してIMFでの勤務を開始して以降、27年超IMFで経験を積んできた。現在はアジア太平洋局の副局長として、中国や韓国など、大規模でシステム上重要な国、そしてフィジーやバヌアツなどの太平洋地域の小国のサーベイランス(政策監視)を監督する。また、主要なASEAN加盟国であるマレーシアとシンガポール、そしてオーストラリアやニュージーランドなどの発展した国の事業も監督する。スリニバーサン氏は、調査局にいた世界金融危機の間、G20の大臣・首脳の会合向け分析ノートの作成など、G20に関わるIMFの業務を指揮した。

ゲオルギエバ専務理事は、「スリニバーサン氏はIMF一族の一員として高く評価されており、その経歴を通じて、IMFのミッションに多くの重要かつ革新的な貢献をしてきました。局長への任命は、アフリカ局や欧州局、金融資本市場局、調査局、戦略政策審査局、西半球局などの幅広い部門における優れたリーダーシップの実績の集大成です。この一連の業務と経験は、彼が低所得国から新興市場、先進国まで、あらゆるIMFの加盟国に携わってきた経歴を反映しています」と述べた。

さらに「彼は、戦略的な考え方、革新の推進、および人の管理に関して頭角を現しました。実際、2010年にIMFが発足した「優れたリーダーシップ賞」を最初に受賞したマネージャーの一人でした。同年、彼は基金の特別功労賞を最初に受賞した一人となりました。このことは彼が、IMFが加盟国に最高のサービスを提供するために、期待をはるかに超える意欲があることを示しています」と語った。

スリニバーサン氏は、防災戦略の試験運用を含め、IMFのマクロ経済活動に気候変動対策を組み込む取り組みも率いてきた。また、国家債務再編や資本市場へのアクセス、金融危機の解決における民間セクターの関与、延滞への貸付に取り組んだ。そして、「強靭性・持続可能性トラスト(RST)」の設計において重要な検討事項であった、長期的な構造改革のニーズがある加盟国を支援する制度の初期の提唱者でもあった。

ゲオルギエバ専務理事は「彼は長年にわたり、IMF職員や各国当局との関係において、一流の協力者として、また信頼できるアドバイザーとして高い評価を得てきました。強い関係を築き、各国当局と合意に至る方法として、開かれた対話を促進することで知られています。また、コーチやメンターとしての取り組みを通じて多くのIMFスタッフのキャリアを育んできました。局長として、今後も加盟国やアジア太平洋局内外の職員に優れたリーダーシップと助言を提供してくれることを確信しています」とした。

スリニバーサン氏はIMFに勤務する前、インディアナ・パデュー大学で経済学・国際金融学助教授を、ワシントンDCで世界銀行と政策研究センターのコンサルタントを、ニューデリーで計画委員会のコンサルタントを務めた。アジア、中南米、カリブ諸国のほか、気候やその他の経済・開発問題に関する幅広い研究は、書籍、学術誌、メディア出版物に掲載されている。

インディアナ大学で経済学優等博士号を、デリー・スクール・オブ・エコノミクスで経済学修士号を、デリー大学で経済学優等学士号を取得。

ゲオルギエバ専務理事は「スリニバーサン氏とともに、IMFのアジア太平洋戦略を発展させていくことを楽しみにしています。この重要な任命を一緒に祝福して下さい」と述べた。

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