ジェフリー・オカモト筆頭副専務理事、 IMF退任へ 後任はギータ・ゴピナート

2021年12月2日

 ワシントン DC : 国際通貨基金(IMF)は2日、ジェフリー・オカモト筆頭副専務理事(FDMD)が来年初めにIMFを退任し、現在チーフエコノミストのギータ・ゴピナート氏を後任に提案すると発表した。クリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事は発表にあたり、「オカモト氏もゴピナート氏もかけがえのない同僚です。オカモト氏が退任してしまうことは非常に残念ではありますが、ゴピナート氏がIMFにとどまり、FDMDという新しい役職を引き受けてくださったことを喜ばしく思います」と述べた。(ゴピナート氏は2022年1月にハーバード大学の学術ポストに復職する予定だった)。

ゲオルギエバ氏は「パンデミックの影響でIMF加盟国が直面するマクロ経済的な課題が増幅する中、世界をリードするマクロエコノミストのひとりとして広く認められているゴピナート氏は、FDMDの職務に今まさしく必要とされている専門知識を備えています。多様な特殊スキルはもちろん、IMFチーフエコノミストとしての長年の知見を併せ持つ彼女は、唯一無比の資格を備えた存在であり、まさに適時の適任者であると言えるでしょう」と付け加えた。

ゲオルギエバ氏は、ゴピナート氏がすでにIMFの活動に多大な貢献をもたらしたとし、「人生で最も深刻な経済危機における予測困難な状況下で、彼女の知的リーダーシップが世界経済とIMFの舵取りの一助となっている」と述べた。また、IMF初の女性チーフエコノミストである同氏について、「幅広い課題の厳密な分析で優れた業績を残し、加盟国やIMFから尊敬と賞賛を集めてきました」と付け加えた。

ゲオルギエバ氏は、ゴピナート氏が統括したIMF調査局が、次々と成果を挙げた点を取り上げ、特に「世界経済見通し(WEO)」を通じた多国間サーベイランスへの貢献、各国が国際資本フローに対処するための新たな解析アプローチ(統合的な政策枠組み)、そして現実的なコストで世界にワクチンを拡大させる目標を設定した新型コロナ収束を目指すパンデミック計画など、ゴピナート氏の実績を強調した。

今回の任命に関してゴピナート氏 は、「IMFの次期FDMDに任命されたことについて、大変恐縮するとともに光栄に思います。過去3年間、私は厳密な経済分析と公共政策に跨り、IMFの大変重要な仕事に直接取り組む機会に恵まれてきました。私たちの仕事が経済活動や世界中の人々の生活にポジティブな影響を与える様子を見ることができ、大変やりがいがあります。パンデミックが猛威を振るい続ける中で、IMFの仕事はかつてないほどの重要性を帯びており、今ほど国際協調が不可欠な時はありません。今回の機会を与えてくださったゲオルギエバ氏とIMF理事会に深い感謝の気持ちをお伝えします。IMFの優秀で献身的な同僚たちと仕事ができることは大きな名誉であり、皆さんと密に協力できることを心待ちにしています」と語った。

間もなくIMFを退職するオカモト氏についてゲオルギエバ専務理事は、「オカモト氏は、危機下における IMFの融資・債務方針から、貿易と腐敗防止、ガバナンスの課題に対するIMFの重点的な取り組みの強化など、広範に渡るIMFのプログラムで大きな貢献を重ねてきました。また、多くの国の課題についてIMFを導いたほか、G7やG20のハイレベル会合などにおいて有力な多国間グループとのIMFの関係を強化しました」と述べた。さらにゲオルギエバ氏は、テクノロジーや他のシステムの現代化から予算に至るまで、IMFの内部マネジメント強化を支えたオカモト氏の重要な役割も強調し、「オカモト氏は素晴らしい同僚であると同時に良き友人でもあり、私がIMF一同を代表して彼の輝かしい未来に幸運を祈りたいと思います」と付け加えた。

オカモト氏 はIMF退職に関して「危機の間にIMFの指導的な職務を任せていただいたことは大きな名誉であり、世界一複雑な経済問題に取り組む世界一優秀な同僚と共に仕事ができたことを光栄に思っています。IMFが加盟国のために成し遂げた仕事に大きな誇りを感じていますが、これは職員による情熱と懸命な努力の賜物に他なりません。私はまず米国、次に国際社会のために10年以上公務に就いてきましたが、今後は民間部門に戻り、新たな舞台で貢献していきたいと考えています。IMFの同僚の方々には、今もなお続く新型コロナ危機の課題に対処できるように各国を支え、力強い回復への道標を提示できるように、成功を願っています」と述べた。

ゲオルギエバ専務理事は、IMF加盟国190か国が直面している政策の複雑化や困難なトレードオフがパンデミックによって悪化したことを踏まえ、上級マネジメントチームで役職・責任の再編成が行われていることに言及した。FDMDは、サーベイランス活動や関連方針を統括し、調査や主要出版物を監視すると共に、IMF出版物の最高品質水準をさらに強化していく見通しである。

ゲオルギエバ氏は結論として、「ゴピナート氏がFDMDという新しい役職を引き受けてくださったことを非常に喜ばしく思います。私は彼女の的確な判断力、優れた助言、そして揺るぎなきサポートを高く評価しています。IMFは今後数年間に彼女と密接な仕事ができることを心待ちにしており、私が一同を代表してその喜びを表明いたします」と話した。

ゴピナート氏は、米国籍とインド海外市民権を有し、2022年1月21日付でFDMDとして新しい職務を開始する。

ギータ・ゴピナート氏の経歴 : https://0-www-IMF-org.library.svsu.edu/en/About/senior-officials/Bios/gita-gopinath

 
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