ゲオルギエバ IMF専務理事、6,500億ドルのSDR新規配分に対するIMF理事会の支持を歓迎

2021年7月9日

ワシントン DC : クリスタリナ・ゲオルギエバ国際通貨基金(IMF)専務理事は本日、特別引出権(SDR)の一般配分を支持するIMF理事会の決定に関して、次の声明を発表した。

IMF理事会は昨日、IMF史上最大の配分となる6,500億ドル相当の特別引出権(SDR)の新規一般配分に関する私の提案に同意しました。この配分は、大恐慌以来の深刻な危機下における、準備資産に対する世界の長期的なニーズに対応することを目的としています。

続いて、私はIMF総務会に対してSDR新規配分の提案を行い、検討と承認を求めます。承認された場合、SDRの配分は8月末までに完了する見込みです。

これは世界にとってカンフル剤となるものです。SDRの配分によって全加盟国の流動性と準備資産が増強され、信頼が構築され、世界経済の強靭性と安定性が促進されることになります。2009年には、SDRの配分が世界金融危機からの回復に大きく貢献しました。私は今回の新規配分が直ちに同様の利益をもたらすことになると確信しています。

SDRの配分はすべてのIMF加盟国、とりわけ脆弱な国々にとって有益となり、新型コロナ危機に対する各国の対応を強化することになるでしょう。

私たちは今後数か月間、より豊かな国々が自主的にSDRを振り向けるためにとりうる選択肢を特定すべく加盟国との積極的な対話を維持します。これは、より貧しく脆弱な国々を支援し、そのパンデミックからの復興と強靭かつ持続可能な成長の実現に資することが狙いですが、世界経済の回復を後押しすることにもつながるでしょう。

背景情報

国際通貨基金協定では、SDRの配分が世界における経済の停滞、デフレーション、過剰な需要やインフレーションを回避するようなかたちで既存の準備資産を補うという長期的かつ世界的な必要性を満たす上で貢献できると確認でき、かつ、IMF加盟国の間でSDR配分を支持する意向が広く見られるときに専務理事がSDRの一般配分を提案できることになっている。専務理事の提案に理事会が同意すると、総務会に対して本提案が提出される。総務会によるSDR配分承認の決定にはSDR勘定に参加している加盟国(現時点では全加盟国)の総議決権の85%を代表する大多数の加盟国の支持が必要となる。配分されるSDRは、IMFクォータ(出資割当額)の内訳に従ってIMF加盟国各国に提供される。

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