アジア太平洋地域セミナー

マクロプルーデンス規制と世界における移民・難民
2020年4月世界経済見通しより2つの分析章についての議論

IMFアジア太平洋地域事務所(OAP)は9月24日、「マクロプルーデンス規制の有効性」と「世界的な移民の動向による経済的影響」という二つのテーマについて、ウェビナーを開催しました。IMF調査局エコノミストふたりが、2020年4月版『世界経済見通し(WEO)』から2つの分析章の主要調査結果に基づき、マクロプルーデンス規制が各国における世界的金融ショックに対する強靭性強化に有効か、及び移民と難民の流入が受け入れ国の経済にどのように影響するかを議論しました。ウェビナーにはアジア各地から300人近くが参加しました。

プログラム 2020年9月24日

11:00-11:05 am

開会挨拶
鷲見周久 IMFアジア太平洋地域事務所長 

11:05-11:25 am 

プレゼンテーション:世界的金融ショックの新興市場国経済への影響を抑えるには:マクロプルーデンス規制は有効か?世界経済見通し 第3章

ルヤコブ・ハンセン IMF調査局エコノミスト 

概要:新型コロナウイルスの世界的流行は、新興市場国にとっての世界的金融環境の急激なタイト化も含め、過去に例を見ない組み合わせの国内外のショックを通じて新興市場国に影響を与えている。このプレゼンテーションでは、より厳格なマクロプルーデンス規制を採用している国において、世界的な金融ショックの影響に対する耐性が強まるのか検証する。

11:25–11:45am

 

プレゼンテーション:世界における移民のマクロ経済的影響世界経済見通し 第4章

マルゴー・マクドナルド IMF調査局エコノミスト

概要:先進国における移民の割合は近年著しく増加する一方、紛争激化が引き金となった大量の難民流入が主に新興市場・開発途上国に影響を与えている。 このプレゼンテーションでは、これらの要因や、近年の変化、今後の進展可能性、受入国における経済的影響について検証する。

11:45–12:15pm

質疑応答

講演者略歴

  • ルヤコブ・ハンセン はIMF調査局のエコノミスト、世界経済見通しを担当。IMFでは、韓国、カンボジア、チェコ共和国、サン・マリノの経済調査団に参加する一方、財政関連業務にも従事。主な研究対象は金融・労働市場問題、Review of Economic Studiesに論文を掲載。ストックホルム大学国際経済研究所で博士号取得。

 

  • マルゴー・マクドナルド はIMF調査局のエコノミスト、多国間サーベイランス部署に所属。それ以前は、IMFアフリカ局で融資対象国や対外セクター問題を担当。主な研究対象は国際マクロ経済学と国際金融。近年の研究では国境を越えた金融政策・銀行制度・貿易の波及に焦点を置いている。クイーンズ大学で経済学博士号取得。