IMFの財源

2019年3月8日

国際通貨基金(IMF)が加盟国に対して非譲許的な条件で行う融資は、加盟国が払い込むクォータ(出資割当額)を原資としています。多国間・国別で合意される借り入れが、クォータ資金を一時的に補うことによって第2、第3の防衛線となります。世界経済危機時には、IMFによる加盟国への支援を可能にする上でこうした借り入れによる資金が重要な役割を果たしました。IMFは現在、合計で約9,750億SDRの財源を持ちますが、これはつまり、流動性バッファーを除き、また、対外収支の状況が良好な国からの資金のみが融資に活用される点を踏まえ、7,150億SDR(米ドル換算で約1兆ドル)の融資能力があることを意味します。

クォータ

IMFが行う融資にとって主たる財源となるのがクォータです。世界経済における相対的な地位を大体の基準として、各加盟国にクォータが割り当てられます。

IMFの融資財源IMFはクォータの総額が十分かどうか、また、加盟国間での配分について、定期的にクォータの一般見直しを行っています。前回の第14次クォータ見直しが2010年に完了し、この見直しで合意されたクォータ増額を実行する条件が2016年に満たされました。この見直しによってクォータ財源は2倍となり、総額は約4,770億SDR(約6,600億ドル)となっています。総務会は2016年12月5日に、現在の理事会の理解と国際通貨金融委員会(IMFC)の指針に沿って第15次一般見直しを迅速に進め、2019年の春季会合までに完了させることを目指し、遅くとも2019年の年次総会までに終わらせるよう理事会に呼びかける決議を採択しました。

多国間借入

新規借入取極

  • 参加国40か国
  • 総額1,820億SDR(約2,500億ドル)
  • 発動のためには、投票資格を有する債権国の85%の支持が必要。
  • 2011年4月から2016年2月までに10回発動されている。
  • 最後の発動は2016年2月に終了。
  • この取極は2022年11月までのさらなる5年間、更新されている。

新規借入取極(NAB)を通じて、一連の加盟国と政府機関がIMFに補完的な財源を融資する態勢を整えています。新規借入取極は、国際通貨制度を損なう障害を防いだり、こうした障害に対処したりする上で、IMFの資金を補う第2の防衛線となっています。第14次クォータ見直しに伴うクォータ増額をうけ、新規借入取極は2016年2月に3,700億SDRから1,820億ドルまで規模が縮小されました。

国別借入取極

2016年における国別取極

  • 国別借入取極が承認されている参加国40か国(2016年)
  • 約束された融資枠の総額は約3,170億SDR(4,400億ドル)
  • これら取極の発動には、投票資格を有する債権国の85%の支持が必要。
  • 共通で2019年末までに設定された当初の取極期間は債権国の合意によって2020年末まで延長できる。

各国と個別に締結される国別借入取極は、クォータや新規借入取極に次ぐ第3の防衛線としての役割を果たします。

世界金融危機の開始以後、IMFは加盟国の融資ニーズに対応できるように、一連の国別借入取極を何度か諸加盟国と締結してきました。2016年には、世界経済の不確実性が継続していることを踏まえ、加盟国は改訂した借入枠組のもとでIMFが今後も国別借入資金を活用できるようにすることを約束しました。この改訂された枠組みの当初の期間は2019年末までですが、債権国の同意によって1年間の延長ができます。


低所得国向けの譲許的融資と債務救済は、別途、拠出ベースの信託基金によってまかなわれています。